CO2冷媒冷凍機「スーパーグリーン」

運転データ・消費電力

消費電力の削減達成例

広島県 田中倉庫運輸株式会社様のケース

工事の経緯-営業運転をしながら冷凍機を入れ替え

水冷式のR22の冷凍機から、スーパーグリーンのF-2型1台とC-2型1台に入れ替えられました。冷蔵庫を営業運転しながら、冷凍機の入れ替えを行いました。倉庫内は、荷物もそのままで、クーラー(蒸発器)の入れ替えを行いました。屋上にあった冷却塔を撤去し、ガスクーラーを設置しました。機械室は限られたスペースでしたが、冷凍機1台ずつ入れ替えを行いました。新たな防熱工事は行っておらず、新旧の冷凍機の性能を比較する格好のケースとなりました。

  • SG-F2×1台 -25 ºC(F級 3233設備トン)
  • SG-C2×1台 +10 ºC(C級 1114設備トン)
  • 倉庫容積合計 4347設備トン(10,868m3)

消費電力、年間24%の省エネを実現

消費電力比較(R22 vs CO2

設備トンあたりの消費電力量

月間消費電力量と削減率

2018年3月に冷凍機の入れ替えを行い、1年間の運転データを計測しました。設備トンあたりの年間消費電力は62.6kWhでした。R22の冷凍機を使っていた2016年は82.0kWh、2017年は77.7kWhで、2016年比で24%、2017年比で21%消費電力を削減できました。8月はR22と比べて消費電力は5.8%削減に留まっていますが、夏期以外は23%以上、最大で39%程度の削減を実現しています。水冷式から空冷式になったことにより、外気が冷えてきた季節に大きな省エネ効果を発揮し、年間を通じて24%の省エネを実現できたことが実証されました。

冷却水がゼロに 上下水道の費用もカット

上下水道の年間使用料金比較

R22冷凍機は水冷方式のため使用水量が多い

空冷式のスーパーグリーンは冷却水をゼロにして、上下水道の費用を大幅に削減する効果もありました。2016年、2017年は年間で54.7~62.4万円だった上下水道の使用料金が、大幅に削減されました。さらに冷却塔のメンテナンス費用や、冷却水の水質管理する費用も無くなりました。

福岡県飯塚市 芳雄製氷冷蔵株式会社 
穂波第2センター様のケース
76.9kWh/設備トン

冷凍室 -25℃:4,700m3(1,880設備トン)
低温室 +5℃:3,000m3(1,200設備トン)
荷捌き室 +5℃:750m3

<納入機種>
F-2(68kW)x 1台: -25℃
C-2(85kW)x 2台: +5℃

図 新設した冷蔵倉庫のCO2冷凍機の消費電力

図 設備トンあたりの消費電力量

福岡県糟屋郡 
河合製氷冷蔵株式会社様のケース
82.0kWh/設備トン

1階 11,000設備トン
F級専用室 -25℃ 4室
F-C兼用室 + 5~-25℃ 1室
超低温室 -40℃以下 1室
2階 11,600設備トン
F級専用室 -25℃ 4室

<納入機種>
SG-F2×7台(-25ºC、17245.6設備トン ※実働台数)
SG-C2×2台(+5℃、7885.3設備トン)

図 新設した冷蔵倉庫のCO2冷凍機の消費電力

図 設備トンあたりの消費電力量

日本冷蔵倉庫協会様が掲げる消費電力目標は、2020年で152.6kWh/設備トン、2030年で143.6kWh/設備トンとなっています。
CO2冷凍機を採用されたほかの案件のお客様の設備トンあたりの年間消費電力量は下記のとおりで、目標値を超えて省エネが実現されていることが分かります。

猛暑時の運転データ

CO2は圧力が高いので、猛暑時には運転できないのではという不安を持たれる方も少なくありません。
2018年の夏は日本各地で記録的な猛暑となりましたが、九州や中国地方でも運転には全く支障がありませんでした。

福岡県の河合製氷冷蔵株式会社様のケース 
40℃近い気温でも安定運転

猛暑日運転データ(2018年8月21日)

2018年8月21日の運転データをご紹介します。
外気温は39.7℃まで上昇しました。外気温度の上昇に伴って、冷凍機の吐出温度は上下しますが、冷凍機内の受液器の圧力は一定で、冷凍庫内は‐23℃を保っています。この冷凍機の最大消費電力は60kWhですが、概ね1/3程度の20kWhの消費電力で推移しています。外気温度が35℃を超えた時点からガスクーラーに水の噴霧が始まることで、効率の良い運転を維持します。水は噴霧され続けるのではなく、細かくオンオフを繰り返し水の使用量を最小限に抑える制御となっています。こうした猛暑日でも安定した運転を維持していることが分かります。