自然冷媒のご提案

モントリオール議定書とキガリ改正

フロンガスの規制の経緯と今後について

冷凍機はいかなる種類であっても、機械内の密閉回路に冷媒と呼ばれる気体を封入し、その気体を蒸発させたり凝縮させて液体にすることで、モノを冷やしたり温めたりしています。

しかし、近年、冷媒の一つであるフロンガスの一部がオゾン層破壊や地球温暖化の原因物質であることが分かりました。このためフロンガスの種類を特定し世界的な規制を定めるのが「モントリオール議定書」という国際条約です。

モントリオール議定書に定められた冷媒規制によって、2020年は大きな転換期を迎えます。これまで主流だったR22というフロンガスの国内生産はゼロとなり実質全廃となります(但し、再生冷媒の使用は認められています)。R22は低温の冷凍冷蔵から空調用にまで使える便利な冷媒なのですが、塩素を含むためオゾン層を破壊することが問題視されています。そのためR22を使用している冷凍機も早急に廃止していくことが求められています。

冷媒の特性

フロン系・従来冷媒自然冷媒
冷媒R22R134aR404AR410ANH3
(R717アンモニア)
CO2
(R744二酸化炭素)
HC
(R290プロパン)
ODP
(オゾン破壊係数)
0.055000000
GWP
(地球温暖化係数)
1810143039202090013
毒性
燃焼性不燃不燃不燃不燃微燃不燃可燃
懸念事項 オゾンを破壊
2020年全廃
空調用
-15℃までの冷却
GWP高い
キガリ規制対象
GWP高い
キガリ規制対象
毒性あり(臭い)
燃料性がある
圧力が高い
夏季に効率が下がる
爆発性がある
充填量に限界

キガリ改正で義務付けられた先進国の代替えフロン削減スケジュール

さらに、R22の後継冷媒として広く使用されている代替フロンのR404AやR410Aについて、2016年10月にアフリカのルワンダのキガリで開かれたモントリオール議定書の会議で、「キガリ改正」によって、規制の対象とされました。2036年までの20年間で85%削減させることが決まり、日本も改正を批准しています。地球温暖化の観点から言えば、R22の地球温暖化係数(CO2を基準1とした値)が、1810なのに対し、R404Aは3920、R410Aは2090となっていて、R22より悪影響を及ぼすのです。