CO2冷媒冷凍機「スーパーグリーン」

CO2冷媒の特性

CO2には次のような特性があります。
日本熱源システムでは、冷媒の持つ長所と短所を踏まえた上で、CO2冷凍機「スーパーグリーン」では、冷媒の長所を生かして省エネでコンパクトなユニットを実現しました。

一般的な特徴

  • 自然界に存在、無色、無臭、食品的に無害、不燃性、無毒、化学的に不活性
  • 常温常圧では気体 三重点の-56℃でドライアイスに
  • 冷媒区分はA1(低毒・不燃性)
  • 大気中には約0.04%の体積として存在

冷媒としての長所

  • 自然冷媒であり、オゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数が1と低く地球環境に悪影響が無い
  • 単位体積当たりの運ぶ熱量が高いので圧縮機を小型化できかつガス配管径を小さくすることができる
  • 圧縮比が低い状態(2段圧縮における低段側のサイクル)において断熱効率に優れるため、高いCOPを実現できる
  • 圧力と密度が高いことにより蒸発・凝縮時に高い熱伝達率を有する
  • 圧力損失が小さいので吸入配管や液配管が長尺になっても影響が少ない
  • 吐出温度が他の冷媒に比べ高いことが温水取り出し等の熱回収に有効に利用できる
  • 吸入配管は、R410Aと同等の圧力のため、空調用銅管を使用可

冷媒としての短所

  • 圧力が高く(例:+5℃=40bar +30℃=72bar)、機器に高い耐圧性が求められる
  • 圧力が高いゆえにガスバイパスシステム・カスケードシステムなどの特殊(複雑)なシステムが要求される
  • 三重点は-56.6℃ 5.18barなので、-50℃以下の超低温の冷却は不可能
冷媒の持つ長所と短所を踏まえた上で、冷媒の長所を生かして
省エネでコンパクトなユニットを実現しました。

CO2冷媒冷凍機「スーパーグリーン」

CO2冷媒冷凍機は
地球温暖化防止に貢献するの?

多くのお客様から「CO2は地球温暖化の原因なのに、それを冷媒に使った冷凍機は環境に良いのだろうか?」というご質問を受けます。CO2は確かに温室効果ガスの一つです。世界中の社会生活や乗り物、発電などによって石油や石炭などの化石燃料が消費され、莫大な量のCO2が排出されています。空気中の濃度は工業化前(1750年頃)が0.0278%だったのが、現在は46%増加して、0.04%となっています。CO2濃度の増加が地球温暖化の主因と考えられています。

ただし、大きな誤解は、CO2自身は地球温暖化に与える影響は小さい気体なのです。CO2の地球温暖化係数は1であり、他の気体と比べた場合、フロンガスのR404Aは地球温暖化係数が3920もあることを鑑みても、CO2そのものは地球温暖化への影響が小さいのです。ですから、CO2の莫大な排出量を抑えると同時に、地球温暖化効果の高いフロンガスを削減することが、地球温暖化を阻止するために重要な課題の一つとなっています。CO2冷媒の冷凍機は、石油化学プラントなどから排出されるCO2を有効に利用する数少ない手段の一つとして、普及が推奨されています。CO2は密閉回路の中に閉じ込められて利用されますので、その量が増えることはありません。CO2冷凍機の普及によって、フロンガスの使用が減ることを考えれば、地球全体としては温暖化防止に大きく貢献することになるのです。